ジェフ磐田 | 普通の人が読むサッカー

ジェフ磐田

「私はこれまで、シーズンの総勝ち点など、
 34ポイントまでしか数えたことがない。
 今季は既にその34ポイントに達している。
 だが60ポイントは要らない。
 だからウィンターブレーク中に、
 何人か選手を売ろうと考えている」
 

上のコメントはベルギーのRAAルビエロースというクラブの会長さんのコメントです。RAAルビエロースはベルギーリーグで決して強豪ではないチームですが、今シーズンどうしたことか上位につけてしまいました。さぞや大喜びと思いきや、あまりそうでもないようです。

 ヨーロッパや南米では選手を他チームに移籍させて、その移籍金で生計を立てているチームが多くあります。

 数学的にチャンピオンチームは年に1チームだけですので、すべてのチームが勝ちまくって客を呼んで、それでクラブ経営を成り立たせるのは現実的ではありません。浦和レッズのように勝っても負けてもお客さんが入ると言うのは理想的ですが、人口数万人の都市や、他に人気チームが存在する都市では、そういったことも難しいでしょう。そういったチームは無名の若手選手を発掘し、育てて、他チームに移籍させて、収入を得ます。

 そういったチームというのは、弱いともちろん話になりませんが、下手に優勝してしまっても困ります。優勝してしまうと、翌年の選手の年俸を多く払わないといけないからです。

 Jリーグでも似たようなコンセプトのチームがあります。ジェフユナイテッド市原がそうです。
 ジェフの歴史はまさに強豪チームへ引き抜かれる歴史です。

城 彰二 →横浜マリノス
酒井友之 →名古屋グランパス
山口 智 →ガンバ大阪
中西永輔 →横浜マリノス


 ざっと挙げただけでも、日本代表や五輪代表で活躍した優秀な選手ばかりです。そして今回、山本正邦新監督率いるジュビロ磐田が、元韓国代表チェヨンス選手(京都サンガにレンタル移籍中)、現役日本代表の茶野隆行選手、元ユース代表の村井慎二選手の3人を獲得しようとしています。
 さらに今期のキャプテンであり日本代表候補の阿部勇樹選手は毎年のように移籍の噂が絶えません。

 ジェフのファンは毎年のように、この時期、寂しい思いを味わっているようです。しかしながら、クラブとしては「これが私の生きる道」ということで、潔い生き方であると言えるでしょう。また、必然的に、毎年若いフレッシュな選手が登場すると言う意味では、ワクワク感満載です。

 切なくも、したたかなジェフ市原。皆さんもたまには応援してあげましょう。


ベルギーのRAAルビエロースというクラブの会長さんのコメント