トヨタカップのチケットが余っているらしい・・ | 普通の人が読むサッカー

トヨタカップのチケットが余っているらしい・・

 毎年12月になると、クラブチームの欧州チャンピオンと南米チャンピオンが日本に来て戦います。この大会は、トヨタがスポンサーになっており、通称「トヨタカップ」と呼ばれています。

 今年で25回目の開催となるトヨタカップですが、来年からは、「世界クラブ選手権」として、欧州と南米以外の地域のクラブチームも参加することになりました。
 ですので、長く欧州、南米、日本のファンに親しまれた「トヨタカップ」は今年で幕を閉じることになります。

 ところが、毎年チケットがすぐに完売してしまうほどの人気の「トヨタカップ」ですが、今年はどうも盛り上っていません。

 問題はどうも、今年の出場チームにあるようです。
 昨年で言えばACミラン(イタリア)、その前はレアル・マドリード(スペイン)、さらにその前はバイエルンミュンヘン(ドイツ)というように、毎年のように、多数のスター選手を抱えたビッグクラブが来日していました。ところが今年は欧州からはFCポルト、南米からはオンセ・カルダスという、かなり地味なチーム同士の戦いとなってしまいました。

 FCポルトはポルトガルの名門チームで、国内では無類の強さを誇ります。87年には欧州チャンピオンになりました。しかし、90年代、サッカー界に巨額のテレビマネーが流れ込むと、イタリア、スペイン、ドイツ、イングランドといった先進国のビッグクラブがスター選手を次々と獲得し、FCポルトは欧州レベルではなかなか勝てなくなってしまいました。
 ところが、2004年、モウリーニョ監督率いるFCポルトは、高度な戦術とチームワークで、スター選手を多数抱えるビッグクラブを相手に激闘を繰り広げ、なんと欧州チャンピオンに輝いてしまいました。

 一方そのころ、南米ではもっとすごいことが起こっていました。コロンビアのオンセ・カルダスという、コロンビア人以外はまったく知らないであろうクラブが、コロンビア人以外はまったく知らないであろう選手を率いて、南米の名門チームを次々と倒し、南米チャンピオンになってしまったのです。

 この両チームはともに、無名の選手をしっかりと地道にトレーニングし、高度な戦術とチームワークで戦ったチームです。資金力のあるクラブが世界中からスター選手をかき集め、我が世の春を謳歌する昨今、そうした風潮に敢然と立ち向かった2つのチームが欧州、南米双方でチャンピオンになったわけです。

 たしかに例年に比べると地味なチームです。トヨタカップ25年の中で最も地味なチームといえます。ですが、今年のトヨタカップはそんな両チームによる、ハイレベルな戦い、これぞサッカー!という試合が展開されるでしょう。

 最後のトヨタカップは12月12日17時から横浜国際競技場で行われます。お暇な方はぜひ見に行ってみてください。テレビでは日本テレビ系列で生中継されます。

トヨタカップ公式ホームページ